MSC Nastranとは
MSC Nastranは、1971年にリリースされて以来、航空宇宙、自動車、造船、機械、電気電子、建築、土木など、様々な分野で数多くの研究機関や企業に広く採用されている、有限要素法を用いた汎用構造解析ソルバーです。
長年に渡って実製品へ適用されることで蓄積された技術、汎用性、機能の豊富さ、精度とパフォーマンスによって、世界のデファクトスタンダードとして高く評価・採用されています。
MSC Nastranは、部品レベルから複雑な構造物全体に至るまで、幅広い範囲を対象とした解析が可能です。基本機能として線形静解析、実固有値解析、線形座屈解析、種々の動解析等を備えており、オプションとして基本的な非線形解析機能、定常・非定常伝熱解析機能などが用意されていますので、解析の目的に応じたカスタマイズが可能です。
また、近年のコンピュータ性能の向上やプリポスト製品の機能向上に伴い、解析モデルはますます大規模化していますが、MSC Nastranは
スーパーエレメント機能、ACMS(自動部分モード合成法)機能、SMP (共有メモリ)および DMP(分散メモリ)並列計算機能により、大幅な解析時間の短縮を実現しています。
MSC Nastranの適用分野例
- 自動車、トラック、列車の様々な構造(ボディ、シャーシ、サスペンション、ステアリング、ホイール)の疲労強度と振動解析
- 軸受け構造の重量最小化検討
- 車室内騒音の最適化検討
- ディスクブレーキ鳴き解析
- 航空機の胴体、翼とフラップ、および着陸装置の疲労強度解析
- テレビや携帯電話などの電気、電子製品における対流、伝導、輻射による温度変動の影響
- 床への落下、壁への衝突、クレーンからの落下など、壊滅的な衝撃に対する製品の強度および耐久性解析
MSC Nastranの活用事例
MSC Nastranは、こんなご要望にお応えします。
強度
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振動
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熱
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大変形
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落下・衝撃
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機構
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MSC Nastranの特徴
- MSC Nastranの基本パッケージから導入を開始し、解析に対するニーズの増加にあわせて各モジュール(非線形、設計最適化など)の追加が可能です
- 共通のモデルデータを使い、連成・非連成に関わらず設計プロセスにおける様々な解析を実行可能ですので、time-to-manufacturingを促進します
- 複合領域シミュレーションを製品開発サイクルの初期段階にフロントローディングできますので、製造コストの低減を実現します
- 多くのコストがかかる製造工程の前により多くの代替設計を検証でき、システムレベルの性能を予測することで、製品寿命(安全、疲労、耐久性)の正確な評価を実現します
- 部門間に閉じられがちな専門知識の共有を促進することで、独立的なポイントソリューションへの依存を低減できますので、同じ操作性と一貫性のあるシミュレーション技術を利用した解析効率の大幅な向上が期待できます
- ハイパフォーマンス・コンピューティングや高度な最新ソルバー技術、大規模かつ複雑なシミュレーションに対する特別機能を利用して、計算時間の短縮とモデリング簡略化を実現します
MSC Nastranの機能
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