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ライオン株式会社 包装技術研究所様 |
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ハイライト
- 容器試作のうち、NC加工機では対応できないキャップ、ボタン、歯ブラシなどの試作に活用しています。
- 3次元CADでの設計後、金型製作の前段階でEdenを活用することにより、たくさんの試作アイデアが生まれ、検証できるようになりました。
「液切れに問題はないか」など、金型の製作までは設計上での確認が主だったものが、手軽に実際に使って確認できるようになりました。 - 技術者自身が自分のアイデアを身近なところで検証できるため、技術者の育成にも効果を発揮しています。
ライオン株式会社様製品
化学・生活用品大手メーカーの「容器」を支える研究所
『トップ』『ルック』などの衣料用洗剤を中心としたハウスホールド事業、『デンターシステマ』をはじめとする歯ブラシなどのオーラルケア事業、『soft in 1』『植物物語』などのビューティーケア事業、さらに『グロンサン』『バルサン』などの薬品・化学品事業を擁し、化学・生活用品メーカーとして確固たるブランド力をもつライオン株式会社。研究開発本部 包装技術研究所は、それら商品の容器などの設計を担当する部門です。設計の現場では、同研究所から新しい容器や新しい形状の歯ブラシなどを提案していくこともありますが、マーケット・インの設計開発がメインです。マーケットサイドから「こういう機能・形状の容器はできないか」といった要望が同研究所に数多く寄せられ、そのニーズをもとにデザイン部門が方向性を固め、設計部門が詳細な形状を検討して開発していくのです。
CAD設計の後、金型製作の前にEdenを導入
同研究所における設計開発工程の概要を示すと、従来は図1のような流れでした。アイデアを練る段階に始まり、3次元CADを使った設計で細部を詰め、NC加工機を使って試作できる物は試作し、その後、金型を設計して「現物」を検証・評価していました。
ところが、この流れでは、莫大な費用と期間がかかるため、アイデアについての検証が十分にできないという問題がありました。金型製作を経て検証・評価するとしても、金型製作に要する期間・コストが大きく、金型をアイデアの試行錯誤に活用することはできません。
一方で、製品はもちろんのこと、容器デザインに対するニーズも多様化・高度化しているので、工程のより早い段階で多くのアイデアを検証・評価する必要性は高まるばかりでした。
そこで同研究所が採用したのは3次元CADによる設計後、金型製作の前段階にEdenを導入し、数多くのアイデアを現物にして検証・評価する方法だったのです(図2)。
導入にあたっては、いくつかのRP装置を比較検討しました。洗剤、化学品の容器、歯ブラシなどをつくるため、評価の主なポイントは、「弾力性のあるものを造形できるか」「熱への耐用性は?」「口に入れても安全面で大丈夫か」といったことに加え、「通常のオフィス環境に置くことができる装置か」も比較検討ポイントになりました。
試作環境が大幅に整備され、使用感の評価に威力を発揮
同研究所では、Edenの導入によって試作環境が大幅に整備されました。洗剤などの容器のキャップやノズル、歯ブラシなどNC加工機では対応しにくい形状のものにEdenを活用しています。また、スプレー状の制汗剤などガス抜きを完全に行う必要があるキャップ・噴射ボタンの試作などにも活かしています。特に注目すべきこととして、歯ブラシでは右の写真(A.)のように実際にブラシを植毛し、使用感を確かめることもできます。
さらに、金型製作の前の修正加工も素早く厳密に行えるようになりました。
このような試作品の評価は、おおむね「設計上の評価」と「使用感の評価」に分かれます。Edenはこの両面で大きな効果をもたらし、「設計上の課題を検証し、使用感も評価する」という点で力を発揮しています。たとえば、「キャップの液切れは理想的か」「洗剤などの詰め替え時に容器の口から液があふれるようなことはないか」など物理的現象は、設計上のデータでも確認できます。それに加えてEdenを活用すれば、実際に使って確認できるのです。使用感の評価では、試作品を社員に使ってもらい、キャップやボタン、歯ブラシなどの大きさ、高さ、太さ、弾力性、見た目など、使いやすさ、使用感を確認することができます。
Edenによる製作事例
欠かせない「考作」のツールに
試作環境の変化は、設計開発の現場にさまざまな成果をもたらしています。第一に挙げられるのは、着手時のアイデア数が大幅に増えたことです。そしてもう一つ、単位業務のスピードアップが図られたことも大きな成果です。
これまでは、金型製作に時間とコストがとられるため、工程のより上流でのアイデアの試行錯誤はアイデアが浮かんだとしても十分にはできませんでした。ところがEden導入は、金型製作の前にアイデアを形にした試作品で検証・評価できるので、よりアイデア展開を促進することができます。たくさんのアイデアを試作して、「最良のモノ」に決めることができるのです。
また、図面やCADでは立体感がわからない人でも、一目瞭然でわかるようになりました。これまで、デザイン・設計開発に関する会議で発言することの少なかった人も、積極的に発言・提案するようになりました。
まさに設計開発段階は、より多くのアイデアを生み出し、検証して製作する「考作」の工程になったのです。
同研究所の主任研究員・中川敦仁氏は次のように言います。
「技術者を育てる面でも大きな役割を果たしてくれます。たくさんのアイデアを出し、それを身近なところで試作して実物を見て、やり直しができる。グループで使えばよりよい製品につながり、個人レベルでも自分自身の成長につながる。料理人が味見をして味を確かめ、覚えて成長するように、技術者もEdenを使うことで、いわば製品の”味見”ができる。それが技術者を成長させるのです」
お客様情報
※2008年4月作成